泣ける程に愛してる。

「啓人〜、お風呂上がったよ。次、どうぞ。」

わたしはそう言い、両手で顔を隠しながら、リビングへ行った。

すると、ソファーに座りテレビを見ていた啓人がこっちを振り向き、「、、、それなにやってんの?」と言った。

「スッピンだから。」
「何だよ、それくらい。」

そう言いながら、啓人はソファーから立ち上がり、わたしの方へ近付いて来た。

「そんな隠すようなもんじゃないだろ?」
「やだ!ダメ!」
「大丈夫だって!ブスでも笑わないから!」
「うるさいなぁ!」

啓人はわたしの手を掴むと、強制的に手を離させ、わたしのスッピンを公開してしまった。

すると啓人は拍子抜けしたような表情を浮かべ、「何だ、あんま変わらないじゃん。」と言ったのだ。

「え、それって化粧しても意味ないってこと?」
「いやいや!褒めてんだけど!」
「だって、化粧してる時と、変わらないって言うから、、、」
「いや、だからぁ、、、スッピンでも、綺麗ってゆうか、、、」

えっ?今、、、綺麗って言った?

「んじゃ、俺、風呂入って来るな〜」

そう言って、啓人は逃げるようにお風呂場へと向かって行った。

わたしは啓人の"綺麗"という言葉に驚き、しばらくその場で「え、綺麗?、、、綺麗?」と呟き、どうゆう意味で言ってくれたんだろう、と考えていた。

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