妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?
 こちらにやって来たアドルグ様は、私に声をかけてきた。
 するとロヴェリオ殿下が口を挟んだ。そんな彼の声鬼、アドルグ様は驚いているようだ。
 私のすぐ隣にいた彼に、気付かなかったというのだろうか。それはなんというか、おかしな話である。それだけ怒っているということだろうか。

「久し振りですね、アドルグ兄様」
「ロヴェリオか……お前もここに来ていたのだな?」
「ええ、そうなんです。そこでちょっと嫌な場面を見ちゃいまして」
「嫌な場面?」
「ええ、クラリアがどこかの令嬢に詰められていました」
「なんだと?」

 ロヴェリオ殿下は、事情を説明してくれた。
 彼がそのように言ってくれるのは、とてもありがたい。私は上手く説明できるか自信がなかったし、これならアドルグ様も多少は考慮してくれるのではないだろうか。
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