妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?
「アドルグ兄様、お兄ちゃんである必要はないでしょう。お兄様とかで良くありませんか?」
「ロヴェリオ、お前も遠慮することはない。俺にとってはお前も、弟のようなものだ」
「いや、遠慮とかはしていませんよ。でもアドルグ兄様の望みはなんというか、ちょっと変ですよ? アドルグお兄様で良いではありませんか。兄上とかでも良い」
「ふっ……お前にはわからないこともあるということだ。大人の世界とはそういうものだ」
「大人の世界とか関係あるんですか、本当に?」

 ロヴェリオ殿下の表情を見ながら、私は考えていた。
 アドルグ様という人は、少し変なのかもしれない。妾の子である私のことを受け入れてくれているのも、そういった面が関係しているのだろうか。
 別に私としては、お兄ちゃんでも構わない。ただ一応は貴族の一員であるし、もう少し上品にお兄様と呼んだ方が良さそうだ。ロヴェリオ殿下と色々と言い合っているアドルグ様の顔を見ながら、私はそんなことを思うのだった。
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