妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?
「え? ああ、僕も別に構いませんよ。姉上、どうぞ」
「いいえ、あなた達から選んで頂戴。ここは姉として、譲れない所だから」

 ロヴェリオ殿下がふと気付き提案したことに対して、イフェネアお姉様は首を横に振っていた。
 どうやら、姉としての矜持というものがあるらしい。断固とした態度を取っており、それにロヴェリオ殿下とウェリダンお兄様は顔を見合わせている。

「まあ、そういうことなら遠慮はしませんよ。いつも通りですからね」
「確かに言われてみれば、俺もこういう時に遠慮したことはありませんね……」
「おやおや、それなら先程のレディーファーストというのはどういうことだったのでしょうかね?」
「……表情が作れるようになったようですけど、それはそれでちょっと腹が立ちますね」

 イフェネアお姉様の言葉に、二人はそんなやり取りを交わしていた。
 それに笑顔を浮かべながら、私はケーキをいただくのであった。
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