妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?
「結局の所、私が起爆剤だったのでしょうね……」
「そんな風に考える必要はないさ」
「でも、ディトナス様がああやって感情を爆発させることになったのは、私との婚約が決まったから、ということのようですから」

 アドルグお兄様からの事情の説明が終わって、私はロヴェリオ殿下とともに庭を歩いていた。
 事実としてわかったことではあるのだが、ディトナス様が兄のことを快く思っていないということを、ドルイトン侯爵は把握していた訳ではないらしい。
 当人同士の間で、何度か小競り合い――というよりも、ディトナス様の一方的な嫌がらせはあったようだが、そこまで問題という訳でもなかったようだ。

 それらの状態が一気に崩れ去ったのは、私とディトナス様の婚約の話がもたらされたことが原因としか言いようがない。
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