妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?
「そんなはずはありません。あれを食らって、無事なんてことは……」
「あなたが薬物をかけたのは、俺の弟だ。双子である故に、わからなかったらしいな」
「弟……そんな! だって、あの時レフティス様の傍にいて、エフェリアと確かに……」
「俺の弟は賢い弟だ。あなたの下らない感情に気付き、対処しようとした」

 焦り切っているマネリアに対して。アドルグは理解した。彼女が何も言わずにこの牢屋の中で大人しくしていたのは、自分の作戦によってある程度成果を得られたと思っているからだと。
 故に事実を告げることが有効であると、アドルグは結論付けた。マネリアは牢屋の鉄格子を手に取り、目を丸めている。彼女が相当に動揺していることが、アドルグにはわかった。

「私の作戦が失敗するなんて、そんなことはあり得ない……それじゃあ、あの女がレフティス様と結ばれるというのですか?」
「……仮に傷ついたのがエフェリア嬢であっても、私は彼女と結ばれましたよ」
「え?」
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