妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?
「僕は、家族にわかってもらえているならそれで良い……」
「ウェリダンお兄様……」
「……僕には、かつて友達がいた」

 ウェリダンお兄様の表情から笑顔が消えて、その口調も少し変わって、私は驚くことになった。
 私の言葉の数々は、ウェリダンお兄様の眠っていた思いを呼び覚ましてしまったのかもしれない。
 ただ、それを後悔してはいなかった。私は、ウェリダンお兄様の本音が聞きいと思っている。今ならきっと、それが聞けるだろう。

「その友達から、僕は言われたんだ。ウェリダンは笑わないって……僕はその、感情を表に出すのが得意ではなかった。だけど、それを友達は一緒にいても楽しくないと思っているのではないかと、疑ってきたんだ」
「それは……」
「当然のことだと、僕は思っている。だってそうだろう。僕は友達と一緒にどんなことをしても、表情もテンションも変わらなかった。それで楽しんでいるのが伝わる訳なんてない」
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