妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?
「ウェリダン……」
「ウェリダンお兄様?」
「ウェリダン兄上……?」

 ウェリダンお兄様の部屋にやって来たお姉様方は、皆驚いたような表情をしていた。
 それは当然のことなのかもしれない。今まで不気味な笑みしか浮かべていなかったウェリダンお兄様が、違った表情を見せているのだから。

「おやおや、これはこれは……」

 ウェリダンお兄様自身も、それについては驚いているようだった。
 彼は先程から、鏡の前で自分の顔を見ている。まだ時々引きつったようなあの不気味な笑みは出て来るが、それでもその他の表情も作れてはいた。

「どういうことなのかしら? ウェリダン、何があったの?」
「……端的に言ってしまえば、僕がクラリアにひどいことをしてしまったのです」
「え? ウェリダンお兄様、何したの?」
「あ、エフェリアお姉様、そんなにひどいことはされていません。少し口論になっただけで……」
「口論? それは一大事じゃないか。ウェリダン兄上、どういうことですか?」
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