妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?
「今その件については、アドルグ兄上が対処しています。今頃は、ドルートン伯爵家の屋敷で話をつけていることでしょう」
「相変わらずアドルグ兄上は手が早いですね……」

 アドルグお兄様が屋敷を開けていたのは、例の令嬢二人の件について対処するためだったということらしい。
 私が思っていたよりも早く、お兄様方は動いていたようだ。これは、少々心配になってくる。絞首台に送られたりしていないだろうか。

「ウェリダンお兄様は、確かクラリアに過度な罰は与えないって約束したんだよね?」
「ええ、そうですよ。まあ、王家の介入もありますから過度な罰なんてことには、多分なりはしませんよ。その辺りについては、ご心配なく」

 ウェリダンお兄様は、少し得意気に笑みを浮かべていた。
 その笑顔を見ていると、本当に大丈夫だと思えてくる。嘘は言っていなさそうだということが、その表情からは前よりも鮮明に伝わってきたのだ。



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