上司と始める秘密の子作り契約?!~あなたのことを好きになってもいいですか~
「難しいものですね……妊娠って」

 あかりの声は暗い。
 それで何よりも感じるんだ、あかりは俺を必要としているけれどあくまでも妊娠するための手段でしかないのだと。

 俺自身を――求めていない。

 俺の心になんか、きっと興味などないんだろう……と。

「OK、タイミングはあかりが言って?生理明けとかは俺もわかんないし。いつでもどうぞ」

「――はい。ありがとうございます、すみません……私の都合で」

「あのな、仕事じゃねぇんだよ。そんな固くなるのやめろ。そんなつもりでヤッてねぇよ」

 そう返したら目を見開いて驚いた表情を見せるものの、すぐにくしゃっとくだけた笑顔を見せて照れたように微笑む。これはもう部下じゃない、プライベートのあかりの顔だ。

「すみません……不破さんに甘えてばかりで、そのプライベートまで面倒見てもらって」

 前までは部長と呼んでいたのが、二人になると不破さんになった。

 (セックスの時だけは意地でも名前で呼ばせてるけどな)

 あかりなりに防御線を引いている感じはするがそれも徐々に取れればいい。まだ俺たちの関係は始まったばかりなのだから。
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