上司と始める秘密の子作り契約?!~あなたのことを好きになってもいいですか~
 真面目な性格なのだ、あかりは。それは上司として見届けてきたからこそ誰よりも知っている。

「だから。どんだけ真面目なんだよ」

「でも、そういうお話ですから」

 (そうだけど)

 そんな事務的に言われると本音は萎える。不妊治療で男がセックスに憂鬱になる気持ちがなんとなくわかってしまった。子供が欲しい女と、それ以上にセックスがしたいだけの男。そこのすれ違いは気持ちが通い合ってたって起きるのに。

 男と女の脳の違いなのか。感情の問題か?

 あかりが俺に惚れていたらこんなセリフは出なかったのだろうか。俺にあかりへの愛情がなければそんなセリフにももっと素直に義務的に受け止めて返せるものなのか。

 結局気持ちの壁にぶつかって歯がゆいことが多いのは悩みの一つだ。まだなにもあかりの心と触れ合えない。身体は触れあっているのに、おそらく誰よりもあかりの近くにずっと奥に触れているのに、どうしてだろう。

 身体を重ねるほど親しくなるほどお互いを必要と感じる。それなのに――。
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