上司と始める秘密の子作り契約?!~あなたのことを好きになってもいいですか~
「こっちは本体会社のファイルです。でも本社自体はあまり取引なかったみたいですね」

「うん……海外だしね……ありがと」

 カラカラ……と、キャスター付きの椅子を引っ張ってきているのが音で分かる。その音があかりの真横で止まってパソコンに向き合っていたあかりがなんとなく手を止めてそろりと横を向いた。

「……近いってば」

 距離が、だ。

「狭いんだから仕方なくないです?」

「仕方なくない、狭いのと近寄るのはまた違う話じゃない?」

「……近寄っちゃダメですか?」

「……ダメ」

「言い方、可愛い」

 本田はくすっと笑ってそう言った。

 その声はいつもよりずっと親し気でどこか熱っぽい。普段の軽さとはまた違う、年下のくせに急に色気を出したみたいな雰囲気であかりは普通に戸惑った。
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