Embrace ーエリート刑事の愛に抱かれてー
ふたりはまず、小夜が事件当日に本を借りたという目白南図書館へ出向いた。
その図書館は年期が入った白い建物で、中に入ると右にキッズコーナー、左へ進むと種目別に並んだ本棚に数々の本が並んでいる。
野間は柔らかい笑顔で、受付のスタッフに声を掛けた。
「すみません。ちょっとお伺いしたいのですが。少しだけお時間いいですか?」
警察手帳を掲げ、野間と桂木は会釈した。
こういう公共の場での聞き込みは野間の得意とするところだ。
「この女性なら、良く来られますよ。」
人の良さそうな中年の女性スタッフが、小夜の写真を見て、そう目を細めた。
「凄く腰の低い利用者さんでね。いつも私達スタッフに本を借りるときも控えめに『お疲れ様です。よろしくお願いします。』とお辞儀をしながら声をかけてくれて。」
「4月10日の下条小夜の貸し出し記録を教えてもらえますか?」
女性スタッフはすぐに機械を操作した。