Embrace ーエリート刑事の愛に抱かれてー

「ええと、小鳥関係の本を借りているわね。『コンパニオンバードとの楽しい暮らし方』という本と『文鳥の生態』という本、そして『腰痛に効く!ネコネコ体操!』の3冊です。」

「おい。殺人をしようとする前に借りるには、随分平和な本ばかりだな。こんな本を借りた後に殺人を犯そうとするものなのか?」

野間の囁きに、桂木も小さく頷いた。

小夜は文鳥のマシュに癒やしを求め、可愛がり、立ち直ろうとしていた。

そんな小夜が落合に殺意を持ち続け、犯行に及ぶなんて考えられない。

桂木は改めて小夜の無実を確信した。

「赤ちゃんの雑誌は借りてないですか?」

野間の言葉に女性スタッフが貸し出し履歴を、老眼鏡をかけて確認した。

「そうですね・・・。1月には『初めての育児』と言う本を借りていますけど・・・それ以降はないですね。」

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