true or false~銀縁眼鏡を外した敏腕弁護士は、清純秘書に惑溺する
その日は、淡々と仕事を進めて、あっという間に4時になった。
「深澤さん。今から加東君と外出するよ。加東君は直帰で、俺はその後会食だし、こまさんも直帰するらしいから、戸締まりお願い出来るかな?」
「はい、時間になったら、片付けて私も帰ります」
「1人寂しいだろうけど、頼んだよ。何かあれば直ぐに連絡して」
そして、ジャケットを羽織りながら、近づいて来た。
「飛んで帰ってくるから。いいね?」
熱い眼差しと甘い声でそんなこと言われると、お芝居と分かっていても、ドキドキする・・・
「はい、お願いします」

加東さんは私のぎこち無さを、怪しむようにじっと見ていたけど、ジャケットを腕に掛けて鞄を持ち、片桐さんと一緒に事務所を出て行った。

偽りの恋人・・・片桐さんのお芝居に、勘違いしてしまいそうになる。
嘘の言葉であんなにドキドキするのに、本当の恋人になったら・・・

仕事を始めては、色々な事が頭を駆け巡り、それを打ち消すように、また仕事をしての繰り返しで、あっという間に時間が過ぎた。

定時前に掃除をし始めて、せっかくだからと、部屋の隅々までモップがけをした。
そうだ・・・更衣室もせっかくだから掃除しよう。

指紋認証でドアを開けて、寂しいからドアを開けたままにして・・・
掃除機、その後にモップを掛けた後、ドレッサーやロッカーの拭き掃除を始めた。
< 41 / 106 >

この作品をシェア

pagetop