true or false~銀縁眼鏡を外した敏腕弁護士は、清純秘書に惑溺する
こんな素敵な更衣室を準備してくれる事務所って、どこに行ってもないよ・・・
さすが、片桐総合建設の息子さんだ。

私の実家も小さな建築会社だけど・・・きっと、関係が結びつくことなんてない。
恋人か・・・やっぱり、偽りは偽り。家柄も釣り合わないんだから。
そんな事を考えながら、拭き掃除をしていた。

後回しにした自分のロッカーは、入念にしよう。
個室の中に掃除機を掛けて、ドアを閉めて、隅々まで拭き掃除をすると、凄く気持ちいい!

よしっ!綺麗になったし、もう6時だから帰ろう!

・・・ん?あれ?ドアが・・・開かない・・・
ドアを開けようとしたけど、何か引っかかってる・・・
えっ?どうして?
うそっ・・・まさかモップが?
何がどうなって、こうなったのか、ドアが開かない。

どうしよう・・・
3人とも、今日は帰って来ないって言ってたし・・・
そうだ、小巻さん!
携帯で心聖の電話番号を調べて掛けたけど、出ない・・・

あっ・・・午後から、小巻さんは推しボーイズグループのコンサートに行って、バイトの人達も都合がつかなくて、夕方から臨時休業にしている。

どうしよう・・・明日まで、ここにいるしかないの・・・
1時間、膝を抱えてジッと座っていたけど、心細くなってきた・・・

携帯を見て、片桐さんの連絡先を見つめる。
忙しいのに・・・迷惑掛けられない。
画面とにらめっこしてると、片桐さんから着信が入った。

慌てて、電話を取ると、
「深澤さん、留守の間、何も無かった?1人だったから心配で」
片桐さんの声を聞いて、安心したのと心細さが合わさって、涙が溢れて来た。
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