true or false~銀縁眼鏡を外した敏腕弁護士は、清純秘書に惑溺する
アイス珈琲を机に置き、片桐さんの隣に座った。
「ですから、この件につきましては、これで終了です」
「契約違反でしょ?慰謝料取れるって言ったでしょ?」
「言いましたが、虚偽報告をしていたのは、そちらでしょ?」
「どういう意味よ!浮気してたのは間違いないでしょ?」
「えぇ、それは間違いないです。ただ・・・浮気していたのは、常務ではありませんが・・・」
「な、何の話?」
「これは、何ですか?」
机に並べたのは、男性と女性がホテルから出て来た写真・・・
女性は、常務夫人だ。
「ど、どうしてこれを・・・あなた、裏切ったのね。社長に頼まれたの?主人を守ってくれって」
「裏切った?この写真を提供したのは、あなたのご主人、常務ですよ」
「えっ・・・」
「私は嘘をつく人の弁護はしません。お引き取りを。深澤さん、請求書を持って来て下さい」
私が請求書を持って、片桐さんに渡そうとした時、常務夫人が立ち上がり、腕を振り上げた瞬間、
「危ない!」
体が勝手に、片桐さんを庇うように、前にはだかると、『バシンッ!』と、頬を思いっきり叩かれた。

立ち上がった片桐さんが、私の頬を摩り、
「大丈夫かっ⁉︎」
凄く心配そうに、優しく撫でた。
ジンジンする・・・泣きそう・・・でも我慢しないと・・・
「大丈夫です・・・」
「ごめんね・・・痛い思いさせて」
優しく微笑んだ後、目を細め、眉間に皺を寄せると、常務夫人を睨みつけた。
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