true or false~銀縁眼鏡を外した敏腕弁護士は、清純秘書に惑溺する
エレベータに乗り、部屋に入ると、異次元の世界にただ、圧倒される。
ペントハウス・・・広いルーフテラスは夜景が一望に見渡せる。
ダイニングは私の家よりもはるかに広い・・・
「部屋を案内するよ。ここを使っていいから・・・」
案内される部屋は、広々として、大の字になっても余るくらいのベッドが置いてあった。
「人が来ることないからね。新しく買ったんだ。寝心地悪かったらごめんね」
「だ、大丈夫だと思います」
「後は・・・簡単に説明するよ」
キッチンやお風呂の使い方を教えて貰い、事前に用意してあるものを説明してくれた。

「出来る限り、早く切り上げてくるようにするから、ゆっくりくつろいで」
片桐さんは、急いで出て行った。

くつろいでと言われても・・・
何処に座ればいいか分からない。
お風呂から上がり、広すぎる部屋に落ち着かず、ソファに足を抱えて座っていた。

片桐さんと千佳さん・・・
千佳さんの気持ちを片桐さんはどう受け止めるんだろう・・・

一人で待つ時間。
11時を過ぎると、メッセージが来た。
『遅くなりそうだから、先に休んでて。打ち合わせは明日の朝にするよ。ごめんね、おやすみ』
『分かりました。おやすみなさい』
直ぐ既読になると、それ以上は何も連絡は来なかった。

私は、偽りの恋人。
嫉妬で乱れる気持ちを抑えるために、そう言い聞かせて、ベッドの上で眠れない一晩を過ごした。
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