true or false~銀縁眼鏡を外した敏腕弁護士は、清純秘書に惑溺する
「おはよう。深澤さん、失礼なことを言っておきながら、申し訳ありませんね」
「おはようございます。いえ、お会い出来ずに残念です」
「俺と心海は、本当に愛し合っているんだ。昨日の夜も無理をさせたから、朝は、ゆっくりしたかったのに。全く迷惑な話だよ」
嘘の言葉に恥ずかしくて俯いたけど、真実も含まれている言葉に、胸が苦しい・・・
愛し合ったのは、私じゃなく千佳さん・・・
「またゆっくりと話をしよう。では、失礼するよ。あぁ、亮聖は何かあるか?」
「近いうちに、会いに行くよ」
「またな、亮聖」
通話が終わり、緊張した時間が終わった。
肩が・・・熱い・・・
「深澤さん、休日に迷惑かけたね。でも、助かったよ」
「お役に立てて良かったです。これで、終りですね?」
「恋人同士は、もう、しばらくお願いするよ。今日は時間も空いたし、お礼に何処かに出掛けようか?」
昨日までの私なら、きっと嬉しくて、二つ返事で一緒に出掛けていたと思う。
でも・・・そんな気持ちになれない。
千佳さんの顔がチラつく。
「いえ・・・天気もいいし、散歩しながら一人で帰ります」
「そこまで車で送るよ」
「大丈夫です。片桐さんは、疲れてるでしょうし、ゆっくりしてください。お邪魔しました」
私は逃げるように、荷物を持って、家を出た。
きっと、近いうちに夢の時間は幕を閉じる。
もう、ここに来ることは無い。
そびえるマンションを見上げた後、振り向くこと無く歩き出した。
「おはようございます。いえ、お会い出来ずに残念です」
「俺と心海は、本当に愛し合っているんだ。昨日の夜も無理をさせたから、朝は、ゆっくりしたかったのに。全く迷惑な話だよ」
嘘の言葉に恥ずかしくて俯いたけど、真実も含まれている言葉に、胸が苦しい・・・
愛し合ったのは、私じゃなく千佳さん・・・
「またゆっくりと話をしよう。では、失礼するよ。あぁ、亮聖は何かあるか?」
「近いうちに、会いに行くよ」
「またな、亮聖」
通話が終わり、緊張した時間が終わった。
肩が・・・熱い・・・
「深澤さん、休日に迷惑かけたね。でも、助かったよ」
「お役に立てて良かったです。これで、終りですね?」
「恋人同士は、もう、しばらくお願いするよ。今日は時間も空いたし、お礼に何処かに出掛けようか?」
昨日までの私なら、きっと嬉しくて、二つ返事で一緒に出掛けていたと思う。
でも・・・そんな気持ちになれない。
千佳さんの顔がチラつく。
「いえ・・・天気もいいし、散歩しながら一人で帰ります」
「そこまで車で送るよ」
「大丈夫です。片桐さんは、疲れてるでしょうし、ゆっくりしてください。お邪魔しました」
私は逃げるように、荷物を持って、家を出た。
きっと、近いうちに夢の時間は幕を閉じる。
もう、ここに来ることは無い。
そびえるマンションを見上げた後、振り向くこと無く歩き出した。