新海に咲く愛
プロローグ
都会の喧騒を離れた静かな一角にあるスイミングスクール「アクアリウム」。
広々としたプールには、青い水が太陽の光を受けてきらめいている。水面に反射する光が天井に揺らめき、まるで水中にいるような幻想的な空間を作り出していた。
小林海斗は、そのプールサイドで黙々と準備運動をする生徒たちを見守っていた。
彼はこのスクールで働くスイミングインストラクターであり、その優しい指導と親しみやすい性格から多くの生徒たちに慕われていた。
高身長で引き締まった体つき、整った顔立ちも相まって、特に女性たちからの人気は絶大だった。
だが、海斗自身はその人気を意識することなく、生徒一人ひとりと真摯に向き合うことを大切にしていた。
彼にとって、この仕事はただの職業ではなく、生きがいだった。
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