雪くんは、まだ足りない。
思いがけない動きにくすぐったさを感じる。
逃げればいいのに…
そうしないのはなんでだろ…。
わたしの手なんかよりずっと大きくて骨ばった男の子の手は今度は、わたしの指を絡めとる。
そのゆっくりとした動きに目が離せない。
「蘭ちゃん顔赤くなりすぎ」
「…誰のせいと思ってるの!」
「俺のせい、でしょ」
そう言って恋人繋ぎになった手を口元へ持って行き…手の甲に感じた柔らかい感触。
切れ長の目がわたしを捉えて離さない。