人間が苦手なクールな獣医師が恋をして一途に迫ってきます

第四章

第四章


「話がある」
　広大さんに言われたので、仕事が終わってから会うことにした。
　時間がある時はなるべく会うようにしていて、私たちはお互いの家を行き来したり食事をしたりして仲を深めている。
　職場を出ると広大さんの車で一緒に彼の家に向かった。
　今日は途中でスーパーに寄って材料を買い込んでから、私が食事を作らせてもらうことになっている。
　カレーライスが食べたいと言われたので、オーソドックスなものを作ることにした。
　職場からは、車で二十分くらいの距離にある高層マンションに広大さんは住んでいる。
　かなり広いリビングと寝室と書斎があり、とても眺めがいい。
　キッチンも広々とすると使いやすく私は早速調理に取り掛かった。香りがしてくると彼が近づいてくる。
「いい匂いだ」