人間が苦手なクールな獣医師が恋をして一途に迫ってきます
「もう少しでできるから待っていてくださいね」
「楽しみにしている」
 お米も研いでちょうど炊き上がった頃にカレーが出来上がった。食卓テーブルに置き、食事を始める。
「今日もすごく美味しい。どうもありがとう」
 好き嫌いがないようで何でも食べてくれるので作りがいがあり、これからもいろんなものを調理したいと思っている。
 ところで話せって何なのだろうか。
 食事をしながらも私は緊張していた。
 食べ終えて二人で食器を片付ける。
「じゃあお茶でも飲みながら話をしようか」
 いよいよだと思って胸が痛くなったが私はうなずいた。
 ソファーに並んで腰掛ける。
「ものすごく悩んだが、実は病院を退職しようと思っているんだ」
「……そうなんですね」
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