人間が苦手なクールな獣医師が恋をして一途に迫ってきます
 一通り見学させてもらって、スタッフの休憩室に入らせてくれ、お茶を出してくれる。
 それにしても動物病院を開業するためには高額な資金が必要だ。
「金銭的にかなり大変だったのではないですか?」
「ありがたいことに仕事が忙しかったし、恋人もいなくてデートもしなかったから、金が貯まっていたんだよ」
 自虐的に言って笑っている。
 そして私の隣に近づいてきて横に座った。
「でも今は大切な恋人がいるから……何よりも心強い」
 急に真剣な瞳を向けられて私の心臓がドキドキしてきた。ゆっくり顔近づけてきて甘いキスが降ってくる。
「職場でこんなことしてもいいんですか?」
「今日は特別。しばらく会えなくて寂しかったから……」
「私も寂しかったですよ」
「本当か? あまり素直に気持ちを言ってくれないから俺がいなくても平気なのかなと思ったよ」
 そう言ってまた私の唇に広大さんは自らの唇を重ねた。
< 121 / 142 >

この作品をシェア

pagetop