人間が苦手なクールな獣医師が恋をして一途に迫ってきます
 前菜が終わると、とうもろこしの冷製スープが運ばれてきた。甘くて濃厚だけれど冷たいのでスイスイ入っていく。
「すごく美味しいですね」
「そうだな。気に入ってくれてよかった」
 彼は素敵な人なので何度もこういうところでデートをしているに違いない。美人を連れて楽しんでいる姿を想像すると胸がチクッと痛んだ。
「何を考えてる?」
「宍戸ドクターは素敵な場所をいろいろとご存知なのかなと思って」
「そんなわけないだろう。獣医師は結婚するのが大変な職業なんだぞ?」
「そうなんですか?」
 彼は深くうなずいて説明をしてくれる。
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