人間が苦手なクールな獣医師が恋をして一途に迫ってきます
 今日は二人とも夜勤だったので同じ時間に退勤だ。かなり忙しそうで休憩はあまり取れていなかったみたい。
「お疲れ様です」
「お疲れ様。朝食、一緒にどうだ?」
 仕事をしているのに全然疲れていないし、入浴直後かと思うほど爽やかだ。
 私はかなり疲れていたのに、宍戸ドクターの姿を見ると一気に目が覚めてしまった。
 せっかく誘ってくれたけれど、私は告白の返事をまだしていない。なので気まずくてどうしようかと悩んでしまう。すると彼は悲しそうな表情を浮かべる。
「俺と一緒に食事をするのは嫌か?」
「そんなんじゃありません……」
「じゃあ、いいだろう?」
 宍戸ドクターの顔を見るとものすごく安心する。
 この気持ちは本当に恋なのかどうなのか私はずっと考えていた。
 いつも私が大変な時に現れて守ってくれる。ありがたい存在だと思っているだけで、もしかしたら恋愛感情ではないのかもしれない。
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