人間が苦手なクールな獣医師が恋をして一途に迫ってきます
 病院事務の仕事としてはハードだが、動物に関わる仕事ができているのでとても幸せ。
 しかし、私は人間関係で悩んでいた。
 まりえさんはなぜか私に対して当たりが強いのである。
 彼女に何かしてしまったかと考えているが思い当たることがないのだ。
 直せるところがあれば真摯に受け止めて反省したいと思っているが具体的な指摘はされていない。
 いつか心を通わせることができたらなと思っているのはきっと私だけだろうか。

 そろそろ勤務時間が終わる。
 仕事帰りにやってくる患者さんの時間帯に移っていく。
 夜勤のスタッフも到着して引き継ぎ等を終わらせ業務終了の時刻となった。
 今日はやることはもうないのでそろそろ帰る準備を始めようとしていた時、誰かがが近づいてきた。
「山井さん、これお願いできる?」
 顔を上げるとそこに立っていたのはまりえさんだった。
 周りにいる事務員たちは見て見ぬふりをしている。
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