人間が苦手なクールな獣医師が恋をして一途に迫ってきます
 彼はゆっくりとうなずいた。
「構わないが……。すぐにいつと約束することができない。もしよければ、これからどうだろう?」
 突然今日になるとは思っていなかったので私の心臓が大きく跳ねた。しかし、いつまでも答えを待たせるわけにはいかない。
「お願いします」
「よし、じゃあ着替えてくるから駐車場で待ってて」
「はい」
 緊張する気持ちを胸に抱えながら私は駐車場へと向かった。
 しばらくして私服に着替えた宍戸ドクターが近づいてくる。助手席の扉を開いてくれ、中に乗った。
 運転席に回ってきて乗り込むとエンジンをかける。そして車を走らせると彼は車を道路脇に止めた。
「ごめん。やっぱり気になって食事が喉に通らなさそうだから先に話を聞かせてもらえないか?」
 心配そうな声が耳に届き私はゴクリと唾を飲んだ。
 覚悟を決めて口を開く。
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