人間が苦手なクールな獣医師が恋をして一途に迫ってきます
「俺の気持ちが伝わったようで本当に嬉しい。ありがとう。これからは自分に自信を持ってもらえるように……たっぷりと愛していくから」
「ありがとうございます」
 振動の鼓動がトクトクと動き出した。

 食事を食べ終わると、私たちは海辺を散歩することにした。
 歩幅を合わせて並んで歩いていると宍戸ドクターが手をそっとつないできた。大きくて温かい手だ。
 立ち止まって向かい合う。
「……宍戸ドクター?」
「下の名前で呼んでくれ。恋人になったんだから。俺もそうする」
 妙に甘い声で言われた。
「……でもちょっとハードルが高すぎます」
 初めての恋人なのに手をつないで歩いて急に下の名前で呼ぶなんて。
 心臓がドキドキして壊れちゃいそう。
 宍戸ドクターは私の右頬を手のひらで包み込んだ。
 うつむこうとしたのに顔が固定されて動かすことができず、彼の視線の中に閉じ込められている。
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