無口な彼の内情を知ったら、溺愛されるようになりました……!?
ボクが十三歳の時、レイは八歳。レイは病気がちで、学校に行けない日も多々あった。ただそれは、学校に通い始めて日が経っていないからだと家族みんな思っていた。しかし、実際はレイの体を病が蝕んでいた。
レイには、まだ名前もない奇病が見つかった。治療で良くなる可能性はあるという。しかし、そのためには高額な医療費が必要になる。そんな大金を支払うことは困難だというのは、子どものボクでも分かった。
ただ苦しむレイを見守ることしかできず、悶々としていた日々の中でとある異変が起きた。
それは、日本に住んでいるボクの本当のお父さんと祖母がボクの家までやって来た日のこと。一度も、ボクの顔を見に来ることはなかった。
あの日のお父さんと祖母は、ボク達が喉から手が出るほど欲しいモノを土産に持って来た。
「娘の治療費を出してやる。その代わり、孫のルイには我が黄田家を継がせ、お前達とは一切会わせない。そして、村崎家の令嬢との縁談を成立させなさい。村崎家の令嬢との婚約が確定次第、いくらでも金をくれてやるわ」
と、祖母は表情一つ変えずに淡々と述べた。
両親は、最後まで首を縦に振らなかった。きっと、一生かかったって、首を縦に振ることはないと思う。妹の治療をしたいと思ってるのと同じくらいーー。
ボクを愛してくれてることを、知っているから。
そう、信じてる。
だから、ボクはーー。