眠り王子と夢中の恋。



教室に入ると、みんなが一斉にこっちを見た。
何やらコソコソと話している。

そして私を見つけた小春の元取り巻きの二人が駆け寄ってきて、腕を掴んで引っ張っていった。

思わずいつもの癖で身構える。

しかし今回は全く真逆だったらしい。



「鈴崎さんっ、桜咲小春には近づかないで?」

「今までめっちゃ酷いことされてたじゃん、これからはウチらと一緒にいよ!」

「え……?」



態度の豹変っぷりに思わず疑問を浮かべる。



「桜咲ね、鈴崎さんのお父様が会社を経営してたから見下してる、なんて言ってたの!」

「ウチらサイテーなことにそれ信じててさぁ、今まで桜咲に操られてたんだよ?」

「まじ、アイツやばいよね〜」


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