眠り王子と夢中の恋。



「……そんなに、あの二人は大事な人なんですか?嫌われたくないんですか?」

「そういうわけじゃない!」



ムキになって叫ぶ小春。



「あの二人も仲良いけど……そうじゃなくて、クラスに私のことについて言われちゃうじゃない」



小春が言ったウワサが嘘だったと知らされる。

みんなが小春を無視する……



「一人になるのが怖いんですか……?」

「当たり前よ」

「……私も同じでした。本当は怖かった……仕方ないですね、私があなたをお守りします」

「は……?」

「その分見返りも増えますけど、ね」



一人は、怖い。
一人は、辛い。

私の事をいじめていた人だけれど、真実があったから。
心から謝ってくれたから──。

これ以上一人になる人が出てほしくない。
私はそういうふうに思っていた。


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