眠り王子と夢中の恋。
美夜、君にもう一度会えるのなら。

俺は君に伝えるよ──

その時だ。

どこからか鐘の音が鳴り響いた。

⁉︎ もしかして、美夜が来ていたのだろうか?

だとしたら、なぜこの部屋にこなかった?

──『そろそろ起きる時間だよ』

……?

この声、愛しい声は、美夜だ──。

それと同時に、夢界が歪んでいく。

俺の存在自体が消えていくような、妙な感覚がする。

……なぁ美夜、伝えるよ、必ず。

君を守りたい。

君の全てが愛しい。

君とずっと共に過ごしたい。

そう、君のことが。

好きなんだと──。





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