眠り王子と夢中の恋。
ガチャ。
「美夜、いる?ただ今〜」
はっとした。窓の外は薄暗くなっている。
いけない、上の空で勉強していた気がする。
復習しないと。
慌てて参考書をめくり出すと、兄が顔を出した。
「昼は食べれたみたいだね、良かったよ。具合はどう?よくなった?」
コクコクと頷く。
私がこんな性格だからだろう、兄は前からずっと私に気を遣っている。
別に何を言われても何も思わないのだから、顔色を伺ってもしょうがないのに。
私は毎度、そう疑問に思う。