眠り王子と夢中の恋。
それは私も一緒だ。
勉強の進み具合によって寝る時間は変わる。
睡眠の時間を勉強に当てれば成績もあがるのにといつも思う。
たった8時間で随分と変わってくるから、本当に睡眠時間はもったいない。
「腹が減ってきたら指を鳴らせば好きな食べ物が出てくる。それと、大体の時間は分かるけれど、ここには時計が一つもないんだ」
そう言われ、私は部屋の中を見回す。
確かに、時計が見当たらない。
「ということは、勉強はいつするのですか……?」
はっとした。
思わずそんなことを聞いてしまった。
「勉強?……勉強はしないな。
なんせ、目覚められないからな?」
冗談混じりに言っているが、やはり聞いてはいけない事だったような気がする。