最愛から2番目の恋
28 わたしを見つけて、守ってくれるひと
消しきれない臭いを誤魔化すように置かれた花々の強い香りが。
感覚が敏感な獣人達の嗅覚を狂わせていたのかもしれない。
その中で焦げつくような異臭を、最前列左端に着席していた人間のガートルードが1番最初に嗅ぎ取った。
気分が悪くなって、思わず体ごと棺から顔を背けた直後に、不意に霊廟内の空気がみしりと揺れて、何かが来る予感をその場に居た全員が感じた。
その瞬間 ──
耳をつんざく轟音と、目を眩ませる発光、はぜた火の粉が天井から下げられていた幕を燃やして伝う。
思わず呼吸を止めた視界を覆う砂埃と、周囲を巻き込んで捻れ、天へ伸びる炎。
それらが全て、ほぼ同時に起こった。
爆音と目の前の燃え上がる王妃の棺を目にして、一斉に人々は悲鳴をあげて立ち上がり、自分以外を押し退け我先に逃げ出そうとしたが、火柱は同じく出入り口からも燃え上っていた。
一足先に出口にたどり着いた後方席に居た者達があわてふためいて引き返して戻ってくるのと、出口に殺到する者達が真正面からぶつかった。
感覚が敏感な獣人達の嗅覚を狂わせていたのかもしれない。
その中で焦げつくような異臭を、最前列左端に着席していた人間のガートルードが1番最初に嗅ぎ取った。
気分が悪くなって、思わず体ごと棺から顔を背けた直後に、不意に霊廟内の空気がみしりと揺れて、何かが来る予感をその場に居た全員が感じた。
その瞬間 ──
耳をつんざく轟音と、目を眩ませる発光、はぜた火の粉が天井から下げられていた幕を燃やして伝う。
思わず呼吸を止めた視界を覆う砂埃と、周囲を巻き込んで捻れ、天へ伸びる炎。
それらが全て、ほぼ同時に起こった。
爆音と目の前の燃え上がる王妃の棺を目にして、一斉に人々は悲鳴をあげて立ち上がり、自分以外を押し退け我先に逃げ出そうとしたが、火柱は同じく出入り口からも燃え上っていた。
一足先に出口にたどり着いた後方席に居た者達があわてふためいて引き返して戻ってくるのと、出口に殺到する者達が真正面からぶつかった。