逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
 迷いを振り払うように、私は静かに深呼吸した。

 そしてもう一度蓮さんを見上げると、彼は優しい笑顔で小さく2回頷く。

 その仕草に背中を押され、私は蓮さんの手を取った。

「覚悟は決めました。指輪、お願いします、ダーリン」

「覚悟をありがとう、ハニー」

 そう言って微笑む蓮さんの目じりが下がり、いちばん柔らかい表情になった。

 この笑顔も、私たちのこの距離も、すべて「契約」の上に成り立っている。

 蓮さんの隣に立つために踏み出したこの一歩が、本当に正しかったのかは、まだわからない。

 それでも、私はそっと彼の手を握り返した。
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