逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
 その時、扉が静かに開き、友記子と青木くんがコーヒーを持って入ってきた。エルネストEP組の前に丁寧にカップを並べる。蓮さんが小さく「ありがとう」というのが聞こえた。

 青木くんはすぐに退室したが、友記子は私の隣に腰を下ろした。どうやら彼女も、航のシナリオがどのように評価されるのか気になっているようだ。

 蓮さんは連れの二人と一瞬視線を交わし、それから倉本先生の方を向いた。

「安斎さん、倉本さん。素晴らしいドラフトをありがとうございます」

 先生はホクホクとした顔で頷く。蓮さんは一瞬の間を置き、それから航と倉本先生の顔を交互に見ながら言った。

「大変興味深く拝見し、通常のドラマとして完成度の高い作品だと感じました。しかしながらこのドラフトは、私たちの求めるクオリティには達していないと判断させていただきました」

 普段の穏やかな声からは想像もできない力強さで、蓮さんは言った。部屋の空気が一変し、全員が息を呑むのがわかった。

「……それは、どういう意味ですか?」

 先生の問いに、今度は広瀬さんが冷ややかに答える。

「不採用、ということです」
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