逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
 18時に帰り支度を始めると、友記子がいそいそと近づいてきた。

「薫! 定時うれしいね♪ 一杯引っ掛けてっちゃう?」

 その声には無邪気な楽しさが滲んでいる。ものすごく魅力的なお誘い。けれど……。

「ごめん、友記子。今日は、ちょっと片をつけなければならないことがあるの」

 友記子はさらにウキウキした表情になる。

「え、なになに? もしかしてデート?」

「違うよ、そうじゃなくて……」

「冗談よ! 分かってるって、薫は脚本が恋人だってことくらい」

 友記子は笑顔でひどいことを言う。まあ、真実ではあるが。

「とある案件に関する協議と調整を持ちかけられたんだけど、その案件ごとなかったことにしないといけないんだ。ジャンル分けするとしたら、厄介事ってやつだね」

 うん、嘘ではない。「とある案件」というのが私からのプロポーズだとは、絶対に言わないけれど。

 友記子はしばら肩をすくめてため息をついた。

「ナルホド。頑張って話し合ってきてね」

 友記子の笑顔がまぶしい。うん、私、頑張ってくるよ。
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