逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
 傘を差し出されたけれど、車だからと断り、私はまた雨の中を駆け出す。

 車に乗り込むと、広瀬さんが尋ねた。

「どうだった?」

「……アウトでした」

 私は口角を上げ、なんとか笑おうとする。

「でも、いい人でした……」

 その言葉を口にした途端、自分の声がかすれていることに気づいた。

 胸の奥からこみ上げる感情を抑えることができず、雨に紛れて熱い涙が頬を伝っていくのが分かった。

 広瀬さんは何も言わず、ただ静かに私を見つめている。その沈黙は不思議と優しくて、私の心に沁みた。

 泣いちゃいけない、そう思えば思うほど、涙は止まらなくなる。

 広瀬さんがハンドルから手を離し、私の肩にそっと手を置いた。

 その温もりに、私はとうとう堪えきれなくなって、顔を覆った。

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