逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
「僕のほうこそありがとう。あなたのことを知ることができてよかった」

 彼は私の食事を妨げないよう、職業や趣味、年齢、出身地などを小出しに質問してくれた。

 私は料理に集中したかったこともあり、質問には答えたものの、ほとんど質問を返さなかった。

 よく考えたら、なかなか失礼だな、私……。

「出雲さん」

「蓮でいいよ」

「……蓮さん、昨日は助けていただいて本当にありがとうございました。それから、セクハラまがいのことを口走ってしまい、すみませんでした」

 私は姿勢を正し、もう一度深く頭を下げた。

 蓮さんは、ふと真剣な表情になり、静かに言った。

「それで、新婚生活なんだけど、君が僕の部屋に越してくる形でいいかな?」

 その言葉が耳に入った瞬間、私は驚きで目を見開いた。新婚生活?

「……まさか、昨日のことでまだ私をからかっているんですか?」

「からかう? いや、君が僕にプロポーズしてくれたから、僕は結婚することにした。それだけだよ」

 はぁ?

 私は混乱した。この人、一体何を言っているのだろう。そして、いつの間にか口調も砕けている。

「だって、私たち、お互いのこと何も知らないじゃないですか」

「僕は今日、君のことを知ることができた」

「でも、私はあなたのこと知らないし……」

「だから、なんでも質問してくれって言ったじゃないか。包み隠さず答えるよ」

 蓮さんは、さぁどうぞと言いわんばかりに両手を広げ、にっこり笑う。そんな表情にも引き付けられる自分が少し悔しい。

 だけど、どうして彼はこんなに淡々としているのか……私はまったく理解できないでいた。
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