逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
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 1時間ほど歩くと、だいぶ気持ちが落ち着いてきた。やっぱり青空の下で体を動かすと、心も整うみたいだ。

 エルネストEP社に着いたのは、待ち合わせの5分前。本当はもっと早く着くつもりだったけれど、少しでも長く歩いていたくて、結局ギリギリになってしまった。

 受付で知里さんを呼んでもらおうとしたが、彼女はすでにロビーで待っていた。

「おはようございます」

 知里さんは腕を組みながら、ため息をついた。

「遅いじゃない」

 私はびっくりして時計を見た。

「まだ5分前ですが」

「いつもかなり早く来るあなたが、今日は5分前。怖気づいて逃げ出したのかと思ったわ」

 私は笑った。知里さんらしい言いがかりだ。

「あはは、それはないですよ。あ、差し入れを持ってきました」

 さっき買ったスペキュロスを差し出す。知里さんは「ありがとう」と言って受け取り、ふっと笑った。

「薫。今日は自然に笑えてるね」

 私の失恋のすべてを見届けてきた知里さんの言葉は、なんだか照れくさく、同時に嬉しかった。
「出雲くんに脚本を見せるのは、彼がどれだけ薫を傷つけたか、思い知らせるチャンスでもあるわね」

 確かに、そうかもしれない。私は頷いた。

「それじゃ、浮気男のご意見を拝聴しに行きましょうか」

 知里さんはそう言うと、IDカードをかざし、エレベーターの扉を開いた。
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