逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
「よろしければ、1階のイベント会場にて、クリスマス抽選会を行っております」

 お礼を言って、レシートと一緒に3枚の抽選券を受け取った。

 このネクタイを蓮さんにプレゼントするつもりはなかった。──彼は受け取ってくれるだろうけど、理央さんに言えないようなことは、もう何一つしたくはなかった。

 蓮さんに似合うネクタイを贈りたいと思ったその気持ちは、むしろ自分へのプレゼントみたいなものだ。だからこそ、大切にしたかった。

 エスカレーターで1階に降りると、正面の吹き抜けに飾られた大きなクリスマスツリーが目に入った。12月に入ったばかりだからだろうか、その隣にある抽選会場には、まだ誰も並んでいない。

 受付の人に抽選券を3枚渡して、タブレットの抽選ボタンを3回押した。スクリーンが一瞬暗くなり、次の瞬間、画面いっぱいにクリスマスカラーの文字が踊る。

「おめでとうございます! 2等、ペア温泉旅行ご当選です!」

 信じられない気持ちで、私は思わず笑ってしまった。知里さんの言う通りだ。誕生日の夜に、いいことが次々と起こっている。

 ──本当に欲しいものだけは、手に入らないけれど。
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