逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
 久しぶりに飲むビールは、やっぱり美味しい。でも、前ほどは一気に飲めなくなったなと思いながら、私は水滴の付いたグラスをゆっくり口へと運んだ。

「実は、私たち3人からプレゼントがあります」

 友記子がにっこり笑って、リボンのかかった箱を差し出した。お礼を言って箱を開けると、中からは上質なデザインのペンと特別な装丁(スペシャル エディション)のノートが現れた。表紙には、金箔で “To the Next Story” と刻まれている。

「次の物語へ……」

 その言葉が胸にじんわりと染みてきて、温かい気持ちが広がった。

 ──そうか。これでやっと、次の物語に進めるんだ。

「……ありがとう」

 思わず涙が滲んで、私は慌てて紙ナプキンを目元に当てた。「ごめん、最近ずっと涙腺がゆるくて」

 知里さんが、静かに口を開く。

「その言葉はね、薫がここまで前を向けるようになったことを誇りに思って、私たち3人で考えて贈ることにしたフレーズなの。仕事でも恋愛でも、薫が次の物語を紡いでいけるようにって」

「ありがとうございます。本当に……嬉しいです」
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