逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
譲原(ゆずりはら)さん、折り返しありがとうございます。……ええ、その件でお電話を差し上げました。……繰り返しのお願いで恐縮ですが、春木先生と直接お話をさせていただけないでしょうか。条件等は可能な限り、先生のご希望に沿わせていただきますので」

 話しながら、彼女は深々と頭を下げた。

「はい、良いお返事をお待ちしております」

 通話を終え、彼女はため息をつきながらスマホをテーブルに置く。その姿は、いつも冷静沈着な彼女のイメージとは少し違って見えた。

「春木賢一朗作品のドラマ化の件、ですよね?」

 私が尋ねると、知里さんは軽く頷く。

「ええ、根尾頁出版の編集者、譲原さんから」

 彼女は私と祐介を交互に見つめ、話を続けた。

「春木賢一朗の作品って、すごくクールな視線で描かれながら、その裏に込められた情熱がすごいの。ミステリとしての完成度も高いけれど、サブプロットにみずみずしくて切ない恋愛が絡んでいて……それがものすごく、心に響くのよ」
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