逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
 彼女の声には次第に熱が宿っていく。私のプロットを次々とゴミ箱に放り投げた知里さんとはとても結びつかないが、この本に対する思いを聞いているうちに、彼女はとてもロマンチストなのかもしれないと思えてきた。スマホの着信音は『虹の彼方へ』だし。

「このデビュー作はね……特に素晴らしいの」

 著者が敬愛するという児童文学者の言葉が金箔であしらわれた表紙を、知里さんはそっと撫でた。その指先からは、作品に対する静かな愛おしさが自然と滲み出ているようだった。

 それから彼女は、静かな決意をたたえた目で前を向き、はっきりとした声で言った。

「この作品を、必ず映像化する。絶対に、諦めたりなんてしない」
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