逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
「もちろんです」

 クールな彼女にしては珍しく、高揚感が隠しきれていなかった。

「私ね……春木賢一朗を見つけたかもしれないの!」

 いきなり核心を突かれて、私は息を呑んだ。でも……「かもしれない」って言った?

「どういうことですか? 根尾頁出版の譲原さんから連絡があったんですか?」

「ふふ、もっとドラマチックな出会いよ」

 知里さんは楽しげに言葉を続けた。

 彼女の話はこうだ。一昨日、彼女はとある出版社のクリスマスパーティに参加した。そこで──彼女いわく「背が高くてセクシーで身のこなしが優雅な、30代半ばの美しい男性」に声をかけられたのだという。

 彼の名前は須賀(すが)(はじめ)。パーティ会場で会話が盛り上がり、その後二人でバーに移動して、さらに深く語り合ったらしい。

「あまりに場馴れした雰囲気だったから、最初はモデルか俳優かと思ったわ。でも、職業は作家だって言うのよ。だから筆名を聞いたの。そしたら彼、貴族みたいな笑顔を浮かべながら『筆名より、まずは僕という人間を物語だと思って楽しんでみませんか。きっと、僕の作品と同じくらい興味深いと感じてもらえるはずです』なんて言うのよ」

 一気にまくし立てたあと、知里さんは「どう? 春木賢一朗っぽくない?」と私に問いかけた。

「あの、すみません知里さん……具体的には、どのあたりが?」
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