逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
 なんだかモヤモヤしている私には気付かず、彼はフライパンに卵を割り入れて、手早くテーブルの上に2人分のカトラリーを用意した。

「手が空いてたら、ベーグル係になってもらえる? もう焼けていると思うから、そこのバスケットに入れて。それからコーヒーも頼んだよ」

 私は「ベーグルとコーヒー係、やらせていただきます!」と宣言して、トースターを開けた。香ばしい香りとともに、カリッとリベイクされたベーグルが3種類あらわれた。リネンを敷いたバスケットにそれらを並べたら、高級ホテルの朝食テーブルに載っていそうな一品に見える。なんて美味しそう。

 それから準備されていたマグカップにコーヒーを注ぐ。こちらも、挽きたての豆を使ったとすぐに分かるほど鮮明な香りがした。ナッツとスパイスを合わせたような、好みの匂いだ。

「ベーグルは、シナモン、ほうれん草、それからローストオニオン。もしプレーンかブルーベリーがよかったら、あるから言ってくれ」

「あ、ありがとう。これで大丈夫……」

「今出来上がるから、イスにかけて待ってて」
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