逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
 そして、さらに信じられないことに、そんな完璧な人物が私の夫になってくれるというのである。期間限定だけど。

 だけど期間限定ということは、1年経ったら私はこの味がもう食べられなくなるのか。

 蓮さんの巧みな「餌付け」にすっかりハマってしまった私は、彼のご飯が食べられなくなる将来を思うと、早くも少し寂しい気持ちになる。

 まるで、自分の好みドンピシャの定食屋さんを見つけたとたん、そこの大将に「1年後に店を閉めようと思ってるんですよ」と言われたかのような……。

「よかったら、ポタージュのおかわりどう? ベーグルもまだあるよ」

 蓮さんが、鍋を手にとって微笑む。

 1年は、まだ始まったばかりだ。

 この関係が終わるまで、この人がつくるいろいろな料理を食べて──この人のことを知れたらいいな。

 私はそう思いながら、「お願いします、大将!」と、空になったスープカップを蓮さんに差し出した。

 蓮さんは「なんで大将?」と笑いながら、私からカップを受け取った。
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