逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
「こっちこそ、服を脱がしたりしてごめん。でも、誓って見てないから安心してくれ。それより、ポタージュが冷めないうちにどうぞ」

「それより」と言われたのが、なんだか地味にこたえる。

「バターナッツスクワッシュというカボチャでつくったんだ。クルトンもあるので、お好みでどうぞ」

 私は少しシュンとなりながらテーブルにつき、いただきますと一礼してポタージュを口に運んだ。瞬間、カボチャの甘みとコク、そしてシナモンやナツメグの香りがふわりと広がる。

「なにこれ、美味しい!」

 スープの湯気の向こうで、蓮さんがにっこり微笑む。

「気に入ってもらえた? 僕の得意料理なんだ。クルトンもパンから自家製だよ」

「本気で!? じゃ、まさかこのベーグルも……」

「僕もつくれるけれど、これは朝の散歩のついでに買ってきたんだ。早朝から開いていて、焼きたてベーグルが買える店が近くにあるから」

 私は圧倒されて、どう返事をしていいのか分からなかった。

 あまりにも整った顔立ちに加えて、スタイルも完璧。大手企業のエリートで、洗練された身のこなしとセンスの良さ、そして品格と優しさまで兼ね備えている。

 そして、朝の散歩を楽しみながら、料理までこなしてしまうなんて……。

 こんな完璧な人が存在するなんて、ありえない。まるで夢を見ているようだ。
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